生のコンサートの幸せ
昨日は、コンサートへ行ってきました。
本八幡の市川市文化会館で開催された「小曽根真 スペシャルコンサート」。
コロナ禍により、演奏会場でのコンサートは停止していましたが、
ようやく少しずつ動き始めた今、
これからこういう時代になるのかもしれないのだから、ソーシャルディスタンスや消毒に配慮したコンサート というものを体験しておきたいな
と思っていたところに、
地元 本八幡で、しかも「あの小曽根さん」のコンサートがある と知り、
これは絶対行かなくちゃ! と生徒さんにわがままをきいていただいて、
午後のレッスンの方に変更していただきました
(ほんとうにありがとうございます!)。
「あの小曽根さん」というのは・・・
緊急事態宣言が出た2日後の4月9日から53日間、一日も欠かさず、
ご自宅からライブで音楽を届けてくださった、ジャズピアニストの小曽根真さん。
毎晩9時から1時間のコンサートは、
くたびれ果てて聴けない日の方が多かったけれど、
慣れないオンラインレッスンに、精神も目も耳も疲れ果てて乾ききった心に
ピアノの音色がすうっと染み渡る時間でした。
わたしも含め、多くの人が「明日もがんばろう」と思えた大切な時間でした。
さて、会場に着くと、
手指の消毒、検温、
チケットは自分でちぎって半券を箱に入れる、アンケート用紙は各自取る、
座席は1つ置き・1列置き、
フェイスシールドを付けたスタッフがところどころに配されている、
・・・など、万全の態勢でした。
新しい様式のコンサート、ということで少々緊張して向かいましたが、
幸か不幸か、観客の人数が制限されていた分、スムーズで
しかも、座席はゆったりで快適でした。
今回のコンサートは、もともと3月に予定されていたのが、コロナによって延期となったものだそうで、
小曽根さんご自身にとっても、コロナ後初めてのお客さんを入れたコンサート会場での演奏だったのだとか。
あのライブ配信を聴いていて今日の日を待ち望んでいた人、
小曽根真さんの根っからのファン、
そして市川市の地元の人、
・・・きっといろんな人がいたのだろうと思うのですが、
ひとつひとつの拍手が、演奏者との対話になっていたのを感じました。
まるで、あのご自宅からのライブ配信をそのまま目の前で見ているような錯覚を
ときどき覚えながら
(ライブのときに時折 声で参加されていた奥さまの涼やかなお声が、今にも聞こえてきそうでした)、
それでもやっぱり、想いのやり取りをできる「ホンモノの生のコンサート」の幸せをかみしめました。
ゲストで出演された 若手フルーティスト 片山士駿さんとのセッションは、それはそれは心地よくて、
いい意味で、うとうとしてしまいそうでした。
とてもリラックスできたのだと思います。
そして、秘かに楽しかったのが、
7月・8月に、ピアノの先生仲間や生徒さんたちと楽しみ、その響きに興奮したのと同じピアノを
小曽根さんが操ると、こんなにも多彩な音色になるのか!
と感じられたことでした。
大人の生徒さんも何人かいらしていて、帰る道々、お話しながらの時間を持てたのも、
今の時期のささやかなぜいたくでした。
音楽って心の栄養だな~ と、しみじみと思いながら一日を終えたのでした。
折しも、母校の音大から 同窓会だより がつい先日とどき、
音楽界で活躍されている同窓生が、「コロナ禍の今思うこと」をテーマに寄稿していました。
その中で何人かの方が
「音楽は不急かもしれないが、間違いなく不要ではない」
と書いていらしたことが、心に残っています。
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