週に１回だけの練習で

中３からピアノを始めた男子がいます。

発表会には出たくないです、と最初にきっぱり言って始めたこともあり、

教室のほとんどだれも、彼を知らないかも。

ブログでも初登場なのかもしれません。

現在、高３。

寡黙です。

淡々と、毎週やってきます。

練習は…ほぼしていないようです。

今は、『大人のハノン』と、

弾きたいといって持ってきたＪポップの曲から

音を抜いたりしながら

ゆっくりゆっくり進めています。

練習しないんだから、ゆっくりとしか進んでいきません。

それでも、毎回レッスンのときに

まずは今弾けるところまで一回弾いてもらって、

崩れているところがあれば　そこを修正して、

新しいところを　４～８小節、片手ずつ、

ときには両手にも取り掛かって、

レッスン終了。

「できたらこれ復習しておいてね」　と毎回送り出しています。

「妹を見ていて、ピアノ弾けるようになったらいいな」

と思って始めたんだから、

練習しないといけないことは、わかってるでしょう…

と言いたい頃もあったけれど、

都内に通う高校生だし、今では受験生だし

彼にはこのペースなんだろうと　毎週同じようなトーンのレッスンです。

通わせてくださっているご両親に感謝しています。

楽譜を読めないわけじゃないし

両手で弾くことは得意じゃないけれど

確実に、彼なりに弾けるようになってきています。

今は完全に受け身のレッスンだけれど、

スイッチが入ったら、今までできてきたことが

生きてくるんではないかな、

そう思っています。

この間のレッスンで、『ハノン』も曲の方も、

どちらも最初からわりと良く弾けていました。

いつもは、最初は指がうまく動かなかったりで、

だんだん動いてくる、といった感じなのに、

最初からなかなかいい感じ。

「いいじゃな～い！

え？練習いつもよりした？！」

と聞くと、

先週のレッスンの翌々日に１回だけやったのだそう。

１回だけで、この効果！！

若さと頭の良さを持ち合わせているからこそ！

なのかしら？！

「１回練習しただけで、こんなに良くなるんだから

これからも１回でも練習したらいいね！」

とお話しました。

「ポイントは、レッスンが終わった翌日か、せめて翌々日までにやるといいよ」

とも付け加えておきました

（ほんとうは、当日やったら一番良いけれど、

夜レッスンの生徒さんなので、帰宅してからは難しいでしょうね）。

なにしろ寡黙な高３男子なので、

ほんとにそうだなと思っているのか　聞き流しているのかわからないけれど

（失礼でごめんなさい）、

黙ってうなずいて帰ってゆきました。

来週、ちょっぴり期待してしまう先生です(笑)。

大きくなってから（大人になってから）ピアノを始める方には

ご自身の弾けるようになりたい想いと　負担に思う気持ちとのバランスで

納得しているならば、

こんなペースのレッスンも　アリです。